国際交流学習のパターンと押さえるべき事項
羽衣学園高校 米田 謙三
kenzoo@cd5.so-net.ne.jp
ICTを活用する国際交流学習のパターン
国際交流学習にはおおよそ次のようなパターンが考えられます。どのパターンの交流を考えているかによって活動の時間や場面、規模などももちろん違ってきます。
文化交流タイプ
小学校や最初の過程でよく行われるタイプ。ビデオレターや物の交換、またWeb会議での歌や踊りなどの発表もこのタイプになるかと思います。インパクトも大きく興味を持たせるのには効果的です。
授業や課外活動発表タイプ
中学、高校で一番多く行われるタイプ。お互いの調べた内容を発表しあったり、授業を遠隔で行ったりして違いや同じに気づくことができます。日常的な連携をとるのに効果があります。
恊働、協同授業タイプ
上記のASEPの活動のように、何かひとつ同じプロダクトに向かってお互いに活動をするタイプ。特に海外の学生と作業する場合は、好奇心や新しい企画・創造に向かう探究心をもつようになります。先生から与えられたことだけを意識するのではなく、自分からという気持ちをもち、また一方で他人の意見にもきちんと注意を払い、また他人に対してもうまく働きかけていく力を見に受けます。
ICTを活用する国際交流学習でおさえておくべき事項
特に本校での様々な国際交流の活動からまとめてみます。
環境設定
英語を楽しくまなべる環境。担当教員や生徒たちが意見交換できる環境。(ICTの使える環境)
授業デザイン
担当教員(学校同士)での交流のねらいの設定。このねらいに応じた教科間の連携。
最終的な成果と評価の設定。主要教科(英語)でのICT学習のねらいの設定。
活動の広がり
外部との連携。成果の共有の発表。
ICT活用のポイント
ICTを遠隔地との交流に活用する際のポイントは,できるだけたくさんの手法で実施することです。(例:TV会議の手法:高速回線型,チャット型,携帯電話型など)特に遠隔地との交流は,掲示板やWebページでの交流が有効です。時差のある地域ではなおさら有効です。特に海外との交流では,事前にいくつかの提案を決めておき,意見交換をしています。直接の対話・会話とは違い,自分のペースで読み,書くことがいちばんの利点であると考えるからです。またメーリングリストに流れる意見交換などは生きた英語の教材ともなります。メールやTV会議で語い力が不足していて,自分の考えがうまく英語で表現できない生徒は,WEB辞書や電子辞書を活用しています。場面に応じて臨機応変に使い分けて(ジェスチャーも含む)行動することが大切であるということを学んでいます。ICT活用のいちばんの利点は,世界の方とのコミュニケーションの場ができるということです。自分と違う環境で育ったり,自分と違う意見や価値観を持つ人たちとコミュニケーションする力を身につけたり,多様な社会の現状を,今同じ時間を生きているさまざまな人たちを通じてリアルに感じることができます。
次に,「多方向」な交流です。「双方向」の交流から一歩踏み出し,いろんな国の中高校生どうしが同じ場を共有して意見を交換できる「多方向」の交流が可能です。(日本語,英語,中国語,韓国語で自由に閲覧や書き込みができる掲示板もあります。)