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市村さん 現地報告

 

メリークリスマス!
市村です。

3日目は各交流校で本番のプレゼンの最終仕上げです。
意見食い違いをあらゆる手段でのコミュニケーションをとりながら
仕上げていく日で生徒・学生にとっては山場です。

私たちは旧知のホヮン校長(元三民校長)の高雄高の見学。
台湾全国でトップ3に入る高校(40%が台湾トップ6の大学へ、90%が国立
大進学)ですが、勉強ができてあたりまえ、
むしろいかに自分を表現できるかという、音楽、スポーツ、劇、詞、作文など
芸術文化系に力を注いでいる。
受験・進学にムダのようだけれど、むしろバーンアウトもなく自分の進路を自ら
みつけられる、と言い切っている。
この名門高の懐の深さ。
真の名門(エリート育成)の真髄がここにある。小手先ではない骨太さに感銘。
将来、このような教育を受けた生徒たちに伍する日本の高校生ははたして・・・。

開校 80 余年以来(日本統治下の高雄中)そのままのレンガ造りの威厳のある校舎
の教室で授業できるのは3年生の栄誉とのこと。

午後はWYMに来られた義守大のダニエル先生の学校へ。生徒も集まり、中国文
化にふれる奥深い「お茶の楽しみかた」の講義。
先生達は出来たばかりの附属のインターナショナルスクールへ。
創始者が台湾有数の企業家とあって目を瞠るばかりの建物。
「まるでテーマパークか、ハウステンボス!」とは見学された先生の感想。
児童・生徒400人中200人が寮生活。この寮も日本のヘタなホテルが負ける
ほどの設備。
高雄郊外の山中に展開されるキャンパスは広大で、校舎も大きなつくりでせせこ
ましくない。
このキャンパスの正門前には巨大なショッピングモール、近くにホテルも建設中
で一大学園都市が完成しつつある。
創始者(経営者)は病院も経営しており、生まれる時から大学まで全て「義守グ
ループ」で事足りる構想があるようで、やっと高校創設の認可もおりたとのこと。

大学での夕食後、20:30まで野外コンサート。生徒はホームステイ先へ。
ホテルに戻ったのが22:00前。
7時出発のちょっと早い明日の本番に向けて先生かたも少し早いホテルへの戻り
でした。
というわけで、明日に備えて「バー・ヨウコウ」は本日臨時休業でした。

番外;
今回は大部分の先生が参加とあって状況がわかるので初日のレポートは「まっ、
良いか」という意見が大半だったし返信もないのででさぼったのですが。

2日目の朝から、「ASEPレポート今年はないのですか?楽しみにしていたの
に」と、幾人の先生から言われたので書いています。

私の戯言のようなメールにも例年愛読されている先生が多いということにびっく
りしました。いや、むしろ励まされました。

「バー・ヨウコウ」と「ASEPレポート」は参加者の先生の交流の場と橋渡し
になれば、と言う思い、を皆様によってささえられています。

 

 

早いもので台湾に来て4日目となりました。市村です。

2年ぶりに三民職高での開催となるプレゼン大会です。
例年になく会場には約400人の聴衆。さらに今年は中正国防学校の
学生200人あまりが玄関広場に設けられた特設野外ステージでライブ中継を見
ながらの参加です。

詳しい内容は他の先生かたがこのMLで書かれると思いますので私の感想を。

コンペティション形式の為、演出が多くなってICTの観点からプレゼンの作り
こみがやや軽視されていたのでは。

感情たっぷりの発表だがPPTの表示した文を丸暗記してそのまま読んでいるだ
けでは。

「肉をたべるな」「車は使うな」とちょっと現実離れしているのでは。

断っておきますが上にあげた多くは中学生のプレゼンでの傾向です。

国内とのマッチングチーム(立命中高を含む)はICT利用、英語表現、身の丈
の内容でバランスが良かったです。

順位は省くとして、扇町+中正国防、福商+高雄商、立命中高+高雄高、沖尚+
高雄女子高チームが入賞。
このことから国内チームのレベルの高さは間違いないでしょう。

ところで大学チームは?
入賞はしませんでしたが決して出来が悪かったというわけではありません。むし
ろ主張に理論破綻のないようにしっかりしたデータを元に自分達の意見を伝えて
いました。決して目先の「演出」に溺れずに、英語も含めてしっかりとしたプレ
ゼンでした。
ただ、中高生のプレゼンの手法については刺激にはなったでしょう。

何年か前のASEPで台湾大が行ったプレゼンが私の頭に浮かびました。
たしか「水」がテーマだったと思いますが、スクリプトを作らず聴衆の反応を見
ながら展開を考えてインプロビゼーション(即興)で行ったはずです。まるで水
が軽やかに流れるように。

参加チームが多くなればコンペティションは大高中と部門別に分ける必要が出て
くるかもしれません。このあたりは来年のWYMの課題となるかもしれません。

1位だった、寿山中+韓国中学+マレーシア中学チームはある先生の言葉を借り
れば2つの相手学校の意見をまとめるのにも四苦八苦するのによく3校分まとめ
たものだ、とういあたりが評価された点でしょうか。

各校各自が色々な思いを込めたASEPも山をこえました。

ミッションから解放されたフェアウェルパーティはまさに有り余るエネルギーが
ほとばしる盛り上がり。

同じく心地よい疲れと安堵感の先生がたは後は主役達に任せて早々に退散。

当然「バー・ヨウコウ」は開店しましたが用意した飲み物が予想より早く底をつ
くほどに皆様の会話ははずんでいました。
良い出会いはあったでしょうか。


明日、生徒・学生は高雄を離れます。
早朝から空港ではあの「涙の別れ」が各所で展開されることでしょう。

そして、その思いは来年のWYMへと繋がっていくはずです。
生徒・学生も、先生も。

――――――――

市村です。
高雄公式行事を終え台北に移動しました。

高雄出発は各チームとも交通手段ばらばらで期待したような別れの光景を目にす
ることはできませんでした。 

台北に飛行機での移動

台北では101ビル見学。うす曇の中の台北市を見渡せる。 
下層階はショッピングテナントで、ブランドやビルの構造で、
「代官山のレストラン」などの看板もあり日本のショッピングビルと何ら変わり
なく錯覚を起こしそう。

夜は恒例の教員反省会と生徒・学生達のグループ行動での夜市体験。

先生がたは恒例の鍋を囲んでの反省会。
色々な気付きの中で来年へと繋がっていけばよいのだろう。

この後本日は「バー・ヨウコウ」かわりに「バー・おおくち」が開店し軽く残り
のワインで情報交換。

こうして、12階のホテルの窓から夜更けの台北の町並みを見渡していると
何処となく違う風景とその中に存在していることの実在感の狭間で不思議な感覚
になってしう。

10年近くの積み重ねを経てASEP2007はその年とともに終わろうとして
いる。

色々な意味で多様性、多面性、寛容性、共生、共感などの言葉を内包し、またそ
の向こうにあるものへも導かれる、そんなASEP2007だった。

同じ事の繰り返しのようで少しずつ異なりながら高みへと昇っていくような。

ただおもしろいのは、参加された先生がたが一様に「生徒は、学生は・・・。」
という視点をもっておられることだ。

また来年も暑い夏のWYMを経てこの台湾でのASEPに参加できて次の高みへ
といけることができればよいかな。

会期中、大した事故もなく、そして全員が無事帰国して、新たな年を迎えてよい
1年になりますように。

では、またいつかどこかで開店する「バー・ヨウコウ」でお会いしましょう。