〜ASEP2005から得たこと。これから自分は何をすべきか。〜
日本福祉大学 古田 高司
僕は今回のASEP2005に参加しました。今回は昨年と違い、他国とのコラボレーションでプレゼンテーションをしました。何もかも初めてで手探り状態でやっていました。本番では何とかうまくいき、今までのコミュニケーションや練習の成果が生んだことだと思います。いろいろあったASEP2005で僕は7つのことについて書きたいと思います。一つ目は、日本での事前準備について。二つ目はプレゼンテーションでのコラボレーション。三つ目は、ホームステイについて。四つ目は多文化理解。五つ目は、この大きなイベントに参加するにあたって英語により触れられたこと。六つ目は自分自身が最も変わったことや、身につけることができたこと。最後に“これからの自分はこんな人間になりたい”という自分育て計画をしたいと思います。
始めにこの行事のために事前準備は何をしてきたかを話したいと思います。私たち台湾行きのメンバーが決まって最初にしたことは台湾の歴史、台湾で気をつけることを学びました。このようなことを事前に知っておかないと被害にあってからでは遅いです。文化の違いもあるので多文化を理解するということではいい勉強だったと思います。
次に他国とのコラボレーションについて話したいと思います。私たちのグループは台湾とマレーシアとやりました。思った以上にマレーシアのプレゼン能力が低く、作って送られた内容が正直とても悪かったです。最終的に僕たちが作って渡しました。本番の始まる少し前に最終確認で「Are
you nerves?」と聞いて「Yes, I'm a little bit nerves.」 「Take it easy!」と緊張をほぐそうとしていました。自分の方がもっと緊張していたと思います。英語で伝わらないとこはアイコンタクトで、お互いコミュニケーションをしてプレゼ。をしました。ほとんどぶっつけ本番でしたので、失敗もありました。しかし三国ともやりきった表情が出てて、呪縛から解き放たれたかのように歓声を上げてしまいました。僕たちの不慣れな英語で二つの国は戸惑ったことも多々あると思います。しかし、それなりに一生懸命さが伝われば相手も理解しようと協力してくれることがわかりました。
ホストファミリーとのホームステイでは、日本人への対応がものすごくよく専用の部屋まで用意してくれていました。初日の夜はクラスメイトの子まで来ていて一緒に夕食を食べました。少し休憩してから夜市へ出かけました。日本では見られない食材・料理が多々見られました。かもの舌や蛇の睾丸といった日本人が好んで食べたがらないものを台湾人は好きなのだそうです。最終日は家族と一緒に観光をしました。蒋介石の別荘へ行き、水族館はタダで入れました。公園をゆっくり歩きながらアイスを食べ、日本での生活を話していました。夜は、ちょうどクリスマスだったので駅の周辺へ行くとクリスマスパーティーが行われていました。とてもいい日を過ごすことができました。日本円と台湾ドルを交換して言われ説明しながら渡しました。あと家族の写真や地元の風景写真を持っていきました。英語の授業で習ったやり方で写真を説明することができ、役に立っているんだと自信にもなりました。ホストファミリーには本当に感謝しています。
ホームシックの僕が「帰りたくないな〜」と思ったのは二回目です。
ホームステイを含めての多文化理解。食事のことでこっちはもう食べられないのに「遠慮しないで、どんどん食べろ。」といつも言っていました。いい意味での遠慮はホスト先では逆に変な思いをさせてしまうことがあります。本当の家族だといつも接しているからわかるのですが、そうじゃないときは吐くくらいの気持ちで食うと向こうの人に喜ばれる。僕はそうでした。もうひとつ、ホストファミリーに「なぜ、僕にこんなにやさしくしてくれるのですか?」と尋ねました。すると向こうは、「台湾人はとてもフレンドリーで他国の人と仲良くなりたいと思う気持ちが強いんだよ。」と答えました。この言葉を聞いたときに、僕がWYMでインドネシアの先生をホームステイしたときのことを思い出しました。僕は最初先生をお世話しなくてはいけないという重圧でとても不安でした。仲良くなろうとか、一緒に町めぐりをしたいとかまったく思っていませんでした。とにかく無事に日程が終わればいいと思っていました。実際来ていろいろお世話をしなくてはいけないという気持ちが強く、自分自身は楽しんでいませんでした。親を見ていると自分の英語力を伸ばしたり、インドネシアはどんな状況なのか知ろうととても活発的でした。台湾でのホームステイではそのことを活かして残りの日程を楽しみ、家族との交流を深めました。すると最終日にお母さんが「今日はとても気分が悪いの、
なぜならあなたと別れるのがつらい。」と言ってくれました。僕は、返す言葉がありませんでした。人から別れるのがつらいと言ってもらったことがない僕、そして思いもしなかった僕は、新たな成長を遂げることができました。人との別れをつらいと気づかせてくれた人たちに感謝しています。今度はまた自分がホストとして受け入れて、最高の時間を過ごしてもらおうと思いました。
この大きなイベントでより身近に英語に触れられた気がします。日本語は通じるがほとんど使いものにならない。しかし、毎日英会話入門を聞いていた僕は完璧にはわからないが言いたいことはつかめていました。顔の表情・ジェスチャーを見ながら英語を聞いて理解していました。向こうの英語はネイティブではないので、そこまで難しい単語は使っておらずスピードも速くなくとても聞きやすかったです。毎日英語を耳にしていたので少し耳が慣れた気がしました。英語で相談に乗っている自分にびっくりしました。
ASEPで自分自身が変わったことがあります。それは仲間と協力してひとつのものを作り上げるという難しさとすばらしさを身に沁みました。相手の言い分を理解して、これならどう?という方法をとって、一方に負担がかからないようにしたいけどそれがうまくいかないという現実。やる気をどう出させるか。とても難しい問題でした。仲間とのコミュニケーションがどれほど大事かやっと気づきました。
最後にASEPを通じてこれからの自分を計画していきたいと思います。まず、英語力(コミュニケーション能力)を上達させる。そのために、英会話入門を毎日一時間聞く。英語の検定を取得する。自分の言いたいこと・相手が伝えようとしていることがもっとわかることができたらどれだけ楽しいか、どれだけ自分という人間を理解してもらえるか。日々の生活で英語を使うことにも心がけたいです。「転んでも英語」。あと人前に立つ機会に慣れて、より自分が考えていることを相手に伝わるように努力する。影戸先生の話し方を真似て自分なりの話し方を作る。プレゼン能力を高める。明確に伝えるためにはどうすればいいかを何度もプレゼンの機会を経験して身につけたいです。あと笑いも勉強する必要があると感じました。とにかく美浜町や地元だけで終わる人間になりたくないです。影戸先生をはじめ、素晴らしい人たちに出会えたことを無駄にしないようにこれから学生生活や私生活を大事にしていきたいです。
僕はこのイベントに参加する前は、仲間との価値観の違いもありつらい思いもして、当日は欠航になってほしいなと思っていたぐらいでした。しかし実際プレゼンテーションをしてみるとまさに国際交流で成り立ったプレゼンだったと感動しました。本当にやってよかったと思いました。来年の一年生にはつらさやよさを伝えていき、「去年より今年の方がよかった。」と言われるようになれば僕たちの今回のASEP2005への参加はこの時点でよかったと言えると思います。