20.  クリスマスパーティー 

南山国際高等学校 教員 西  亮

20.1 表舞台で

プレゼンテーション、ホームステイと盛りだくさんのASEPで忘れてはならないイベントがクリスマスパーティーだ。ホスト校を中心とした台湾の生徒が協力し、準備を重ねて大々的に催される。各国によるパフォーマンス、台湾の高校生による華麗なるファッションショー。バンドの生演奏に合わせて高校生たちは踊り狂う。会場は熱気に包まれる。その熱気に圧倒されて、おずおずと周囲を伺っていた日本の生徒もいつの間にか踊りの輪にのまれている。日本より受験競争が激しい台湾の高校生は、このときとばかりにパワフルに歌い踊る。この国の原動力、資源は人間だと実感する瞬間だ。

 

20.2 ステージの裏で

ホスト校、観光科の生徒による受付、案内でスムーズに会場にたどり着く。食事の準備、配膳も生徒により速やかに行われ、参加者は安心してお腹を満たすことができる。参加者がステージに目を奪われている間に、紙製の食器、食べ残しのごみも、いつの間にか生徒が片付けている。意識的に見ようとしなければ見えないところで、多くの台湾の生徒がパーティーの準備、進行、片付けに携わっているのだ。見えないところで多くの生徒が動いているからこそ、パーティーを楽しみ、喜びを得ることができる。あたたかいもてなしを受けている参加者はそれを感じ取り、このような機会に、見えないところに目を向けられる資質を養わなければならない。

 

20.3 日本のパフォーマンス

アジア各国で日本のミュージシャンはよく知られている。日本のパフォーマンスは、今人気のバンドの歌に合わせて、全員で踊ったり、歌ったり、手拍子をしたりするというものであった。どの歌にするか、誰が歌うか、ステージ上で踊るのは誰かなど、打ち合わせはメーリングリスト上で行われた。東京から沖縄まで各方面から参加しているため、日本国内で集まって練習するわけにはいかない。ネット上である程度まで調整をし、本番直前に主要メンバーで打ち合わせをしただけであったが、ステージに上がった人も、ステージの下から見ていた人も大いに盛り上がり大成功に終わった。高校生の底力を見た思いだ。

プレゼンテーションの準備と比較すれば、パフォーマンスの準備はどうしても後手にまわってしまう。しかし日本の参加者が学校の枠を越えて交流できる絶好の機会である。準備を早めに始める、高校生、大学生を問わず生徒のリーダーを決めてリーダーを中心に準備を進めるなどして、次回は事前の国内学校間交流が有効にできるようにしたい。