ASEPに参加して

 

立命館宇治高校 教諭 武部恵子

 

 今年度、ASEPに初めて参加しました。教員、生徒共にさまざまなことを学び、有意義な経験をすることができました。ここでは、キャリア形成の視点から本校のASEP参加の意義を検証します。

 まず、ASEPは「国際交流や理解」の枠を超えた海外とのつながりが持てるイベントであると実感しました。プレゼンテーションという一つの課題を協力して取り組み、それぞれが納得のいくものを仕上げるために意見の不一致や衝突が生じます。そこで求められるものは、何度も話し合いを繰り返しながら対処したり折り合いをつけたりすることです。このような機会を若いときから持つことは、今後日本国内だけに留まらず海外との関わりが益々密になる社会において貴重な経験です。ASEPは異なる文化や言語の人と真剣に向き合い、互いに尊重し合うことを学ぶ機会を与えてくれます。最近、海外で活躍の場を求める若者が減少してきていますが、特に日本を目標としてきたアジア諸国と協力していくことが更に重要になっている現在において、ASEPは海外へ目を向ける上で、大きな役割を果たしています。

 また、英語を母国語としていない者同士が、お互いにとって外国語である英語を介して意思疎通し合うことの持つ意義の大きさも見逃せません。本校では、高校3年と中学3年時に欧米での語学研修を実施しています。英語が英語圏以外において意思疎通の手段として有効であることを直に経験できたことは、本校生徒が英語学習をする上での新たな動機づけになりました。特に本校においては、中学校の英語上位層にこのような機会に参加することを積極的に奨励し、さらに英語学習意欲向上への動機付けにしたいと考えます。

 今後の社会を担う生徒達のキャリア形成を考える上で、またキャリア指導する立場としてもこのASEPをよりよく活用できるように今後さらに検討を深めたいと考えます。