未知の世界に踏み出して

福井県立若狭高等学校

1年  Y.H

 

私は台湾に行き、ASEPに参加することでとても大切なことを学びました。

一つは、人とコミュニケーションをとる際に重要なのは、相手に自分の言いたいことが伝わるかどうかというよりも、相手に自分の言いたいことを伝えようとすることの方が大切であるということです。私は以前、ニュージーランドに国際交流を目的としてホームステイをしたことがあります。しかし、英語に関する知識も浅かった私は、自分の英語が相手に伝わるか自信がなくて、あまり英語が話せませんでした。今回のホームステイでは、その時よりももっと自分で英語を活用してたくさんホストファミリーとコミュニケーションをとることに努めました。ホストファミリーも日本の歌手や漫画についてよく知っていて、お互い知っていることを話題に会話がとても弾みました。中には、私の言いたいことが相手にうまく伝わらないこともあったけれど、お互い辞書を片手に何としてでもお互いの伝えたいことを伝えあおうと努めました。時にはそれが大変なこともあったけれど、相手に伝えたいことを伝えることができたときの喜びはとても大きいものでした。何よりも、自分が伝えようとしている時、相手が一言も聞き漏らすまいと一生懸命耳を傾けて自分の言うことを聞いてくれたのがとてもうれしかったです。コミュニケーション能力は、言語を上手に使えるかではなく、お互いに意思を伝え合うことができるかということであるのだと思います。これは当たり前なのかもしれないけれど、実際にそれを経験することでそうであることを実感しました。これは、自分の国や言葉の意思疎通に不自由しない環境からとび出すことでしか体験できない一つの大きな経験であり、魅力であるのだと思います。

もう一つは、何事にも挑戦することです。私はASEPを通して様々なことに挑戦しました。その中でも大きな挑戦がこのASEPに参加したことです。私はASEPに参加するかどうか迷っていました。しかし、人前で発言することが苦手で内気な自分を少しでも変えたいと思い、参加することに決めました。単に外国へ行き人と交流しに行くのではなくASEPというプレゼンテーションの大会に参加するという大きな目的を持って行くので、人前で話したりするという経験を積むいい機会になると思いました。実際に会って練習に参加して、最初は向こうのメンバーの話す英語が思っていた以上にレベルが高くて圧倒されました。練習も既に始まっていて、それに追いつくので必死でした。台詞を覚えても、うまく言えず詰まったり、思うようにいかず、とても悔しい思いをしました。12分という制限時間もあり、なるべく速く読まなければならないので、焦りも感じていました。話し方に抑揚をつけたりするのも、感情表現の苦手な私には思っていた以上に難しいことでした。しかし、今までやったことのないことを求められ、それに挑戦するということで自分を変えていくことができたのだと思います。台湾の見たことのない料理にも挑戦してみたりすることで、食文化の違いなども実感することができました。

私がASEPに参加することになってから台湾から帰ってくるまで、とても多くの人に出会うことができました。特に、私のホストファミリーは私のことをずっと支えてくれる私のよき理解者でした。私が緊張したり困っている時には、励ましてくれたり勇気付けてくれて、本当にお世話になりました。彼女には感謝しきれないほどです。台湾の人たちはもちろんですが、同じ日本から来た人たちとの出会いも私にとっては非常に大きいものでした。お互いの学校などについて話したりすることで、お互いにとって良い刺激になったと思います。

私が台湾で過ごした約一週間はニュージーランドで過ごした一週間や今まで過ごしたどの時間よりも忙しかったけれど、その分充実した濃縮された、すばらしい思い出となりました。これからはASEPやホームステイを通して感じたことや学んだことを生かしていきたいです。