Asian
Student Exchange Programは2000年より継続している国際協働プロジェクトだ。台湾高雄市で開催され、教育局(教育委員会)が我々(WYM実行委員会)と連携しながら進めている.今年度は教員をあわせ102名が参加した。学生・高校性75名の参加である。協働でテーマにそったプレゼンテーションを作りあげると共に、ホームステイ体験、Farewell パーティの企画などがある。
Ø 主催 高雄市教育局 後援 台湾教育省
Ø 日時・2010年 12月22日から29日
Ø 場所 高雄市内高校、
Ø 発表会会場 三民家商高校
Ø 異文化の中で、出会い、挨拶、ホームステイの場面で効果的な英語活用の方法を学ぶ
Ø 作業の中で生まれるコンフリクトに注目しつつ、説得や合意に至る効果的なマネジメント、英語活用を考える。
Ø 英語プレゼンテーションにおいては、構成、ファイル作成、話す力に留意し、内容を効果的に伝える。
Ø 相手の発話からも学習しつつ、新しい効果的な表現に学ぶ
Ø イベントでの挨拶や、他者のプレゼンテーションに触れ、効果的な表現を知り、習得する。
Ø 教室で学んだ英語を多様な状況の中で積極的に活用し、英語コミュニケーションがどのように働くのか確認する。
Ø 異なった文化歴史をそれぞれが持っていることを知り、協働作業の中で出てくる衝突に冷静に対処する。
Ø 意見の食い違いを、客観的に見つめ、お互いに歩み寄りながら、一つのものを作り上げていく体験を通して、国際的な協調の方法を身に付ける。
Ø 出来上がりの過程を振り返り、国際的な協調の方法のモデルを探る
Ø 構成主義、体験学習の理論に基づき、担当交流校の教師とともに、学生、生徒を指導して、短期間で英語プレゼンテーションを完成させる。
Ø 国内各校と連携をとり、国際交流の意味を多角的にとらえ、年齢、領域に応じた国際教育のありかたを明確にしていく。
Ø 高校大学の連携の下、相互の実践に学び、高大連携における国際教育のあり方を学ぶ
Ø 異国での発表、開会、パーティ、ホームステイなどの「国際協調学習」のプログラムに学び、国内でのあり方を明確にしていく。
本学は義守大学の2,3年生とコラボレーションを行った。現地到着までに基本的なトピックについて話し合いを進めた。日本側はBetter World というテーマに対して、教育、テクノロジー、国際連携などの歴史を具体的な例をいれながら展開しようとした。これまで自分達が取り組んできた、ワールドユースミーティングなどの画像画像、動画を準備した。
しかしながら義守側は、当初のテーマの勘違いから始まり、オルガンを寄付すること、被災者を支援することなど、「Beautiful world」をテーマとし、作りあげていた。
現地訪問後は、仲間内のICE Breakingとして、クリスマスパーティ、市内見学など共に時間を過ごすこと機会を多く持った。お互いの名前をしり、さらにはプレゼンの構成についても話し合った。
26日、前々日に最終的な作り込みを行った。会場を義守大学として、日本側から4名の大学教員が参加し、基本的なプレゼンテーションの作成方法、コンフリクトと連携などのテーマで1時間程度情報提供をして、作業に取りかかった。
国際理解と国際学習の違いいについて・・東京国際大学 五十嵐教授、プレ座園テーションとProsody・・関西大学、吉田教授、効果的なプレゼンテーションの構成方法・・日本福祉大学 影戸、プレゼンテーション概要・・義守大学 ダニエル教授。
しかしながら、これまで作り込んだものの変更はほとんど無く、テーマそのものの、相手側は「Beautiful World」であり、変更をなかなか受け入れない。大変やりにくいものであった。最終的には、時間を区切って、日本側が4分、義守側が4分、まとめを4分程度と「分かれて」作成を行った。27日にその発表が行われたが、プレゼンテーションについては実施できたが内容についてはすりあわせのできないままであった。
本学生徒はこれまで、英語プレゼンテーションを国際交流の場面などで体験し、その方法もファイル作成、構成、伝え方、話し方など了解していたが、相手側は、ディベート、Critical Writing等で学習しており、「おもうままに展開する」評価基準の無いプレゼンテーション作成であった。
プレゼンテーションの評価基準を徹底させるべきであった。構成の方法、ファイルの作成方法などWEBに載せて共有を図ろうとしたが、理解しておらず、「作りたいように作る」という相手側の態度を崩せなかった。方法があり、手順に従うことの意味を、相手側教員も理解し、協働して取り組むべきであろう。他の成功したグループを見てみると、face bookを通したリラックスした交流があり、教員側で「モデル」の共有ができているところが成功していた。
これまでASEPは10回開催され、WYMは12回開催されている。これまでの成果、出来上がったプレゼンテーションをどう活用し、先達の業績に学ぶか、全体での意思統一が必要である。思いつき、その時々の参加者の思い入れだけで協働プレゼンテーションを完成させるべきではない。
異なったバックグラウンドをもった若者達が、協働で意見を調整し、Productを作り出そうとするとき、グループ内でコミュニケーションスキルが必要となる。
・相手の理解 文化、言語能力
・役割遂行能力 (リーダー、タイムマネジメント、データ収集・分析、記録)
・ICT活用能力 (Higher
Order thinking tool)
この力を磨く場所として、ASEPがある。今回の大学、日本福祉大学、義守大学の取り組みを振り返って見ると、2つのプレゼンテーションのつなぎ合わせになり、特に、グループ内での役割分担がうまくいかず、事前に準備したプレゼンテーションにあまりに固守して、崩し、幸構成するまでに至らなかった。
担当教員が、異文化における「協働学習」のプロセスについて十分理解しておらず、単なる「プレゼンテーション大会」として把握していた。Asepを通してどのような力を構築していくのか、事前に教員間での連携をさらに必要になってくる。指導教員の間での合意形成が今後望まれる。
異文化、異なった英語能力を持った若者が、短期間に理解し、プレゼンテーションという成果を出さなくてはならない。
プロジェクト全体の流れを、ICE Breaking、協働学習の方法を体験する ワークショップ、役割分担の段階とgroup Skillの理解などに沿って、獲得目標を明確にしつつ、Facebookなどのツールも活用し、展開されるべきであろう。
事前ネットワーク交流で、せめて、ICE Breakingや協働学習の方法体験などはクリアーしておきたい。
日常的には意思疎通できるだけの、英語力習得は言うまでもない。
参考文献
影戸 誠(2001)国際交流マニュアル:日本文教出版
久保田賢一(2000)構成主義パラダイムと学習環境デザイン:関西大学出版部
中央教育審議会(2007) 「次代を担う自立した青少年の育成に向けて」
Makoto Kageto(2007)An Instructional Design for
International Collaborative learning Focusing on Communication (ED497429) http://www.eric.ed.gov/
Stephan, W. (1985) "Intergroup
Relations" in "Handbook of social psychology: Special fields and applications" by G. Lindzey, E.
Aronson ed. 3rd ed. Random House
http://www.aec.asef.org/projects/projects2007.html