教員レポート

南山国際高等学校 教員 西 亮

CSCLの観点から(Computer supported collaborative Learning

ASEPでは生徒が当たり前のようにコンピュータ、ネットワークを利用する。今回は4カ国の生徒による共同プレゼンテーションであったので、メール、メーリングリスト、オンラインミーティングのシステム(skypejoinnet)が大活躍した。また個人的にmessengerを利用して友人との交流を楽しんでいた生徒もいた。

高雄市に着いてすぐ、本校生徒は高雄女子高校を訪れ、オンラインでは確認できなかったことの打ち合わせ、共同でのプレゼンテーションの練習をほとんど生徒のみで行った。インターネット上で声、文字、写真でしかお互いを知らなかった者どうしが、笑顔と笑顔でプレゼンテーションの準備をしたり、おみやげを交換したり、何気ない話を楽しんだりしていた。これもコンピュータ、ネットワークを利用した事前交流学習のおかげである。

 

自校学生・生徒のプレゼンテーションについて

イラストを多用し視覚に訴えることにより共感をもってもらいたいという、他校とは違うスタイルでスライドを制作した。本校の生徒というよりも、その生徒個人の持ち味が生かせたのではないか。発表当日は午前、午後と長丁場になるので、そのような条件でもぜひ観客の目を引きたい、私たちの思いを聞いてほしいという願いで作成していた。プレゼンテーションを重ねるごとに生徒は自信をつけていく。それと同時に、他グループのプレゼンテーションを観察することで、自分たちに欠けている部分を発見し、「もっとこうしたい。」という欲求も出てきたようだ。プレゼンに「はまっていく」様子を見ることができた。

 

自校学生・生徒の変容

二人とも2回目の参加であり、1年目は何事も目新しく楽しく感じられたことが今年はまた違った目で見るようになったようだ。ホストになった大変恥ずかしがりやの台湾の生徒を逆にリードしてあげたり、見守ってあげたりするなど、落ち着いてものを見る目が出てきた。またうまくいかなかった出来事や初日の大雪での12時間の待ち時間を辛い出来事としてとらえるだけでなく、自分を成長させる試練の場として、少し大人の目でそれぞれの機会を楽しむことができるようになったのではないだろうか。

 

生徒にとってASEPとは

 お互いに母国語ではない者どうしが利用できる英語学習に最適な場である。また多くの国の仲間と語り合える場、国内の高校生、大学生と学校の枠を越えて交流できる場、学校や企業から参加した様々な大人からあたたかい目で見守ってもらえる場である。多様な異文化を体験し、周囲の人とコミュニケーションしながら、「自分とは何だろうか。」と思索できる日常から少し離れたところで自分を見つめることのできる場でもあるのではないか。