ASEP 報告 影戸 http://www.kageto.jp
総勢50名の団体で今回は台湾を訪れた。
ASEPの意義
・ ネットワーク活用の国際交流
日本・台湾の両教育組織ともインターネットベースで活動を展開している。メーリングリスト、e-learningサイト、これらを通してインターネットならではの国際交流を展開している。短時間により強力なコミュニケーションが成立し、イベントを実施するという具体的目標のために確実に実施される。
・ 英語学習のあり方 「英語の使える日本人」
国際交流において共通言語は英語となる。そう英語ある。幸い台湾・日本にとって英語は外国語である。われわれは英語で交流を行う。学びはするが使う場面の設定がほとんどないというこれまでの「文法中心」の英語教育を変えたいと願っている。目的があり、ネットワークがり、さらに直接会う機会が設定されていれば生徒・たちは積極的に英語を活用していこうとする。挨拶するといった簡単なレベルから、意見を伝えるさらに論議し、ネゴシエーション、意見交換するといったレベルまでのすべての内容を包含している。高校一年生はレベル2まで、大学生はレベル3までといった内容になるだろう。
また引率教員もそのときに力に応じて、十分に会話できるん内容を含むのだと思う。
それぞれのレベルで
聞く、質問する、とっさのテーマで論議できるなどのレベルがあると考えられる。
How are you?に始まり、according to issue you mentioned ,I would like to say …
と進んでいく。海外とのメーリングリストでの3-4行の英語もこれらの活動を支える。
このように「使う場」の提供によって、日常生活の中に「英語が定着し育っていく」。
・ マルティメディア活用英語プレゼンテーション
これら交流行事は双方の英語プレゼンテーションである。単なるスピーチではない、そこに人がいるということを生かしたプレゼンテーションであり、インタラクティブ性が要求される。英語が母国語でない国の学生にとって英語プレゼンテーションはかなり高いハードルであるが、マルチメディアがこれらをしっかり支えてくれる。
パワーポイントファイルに貼り付けられた画像、音声、箇条書きされたいくつかのコメントが彼、あるいは彼女の英語を応援する。画像からのイメージが主張を確実にサポートする。
英語プレゼンテーションをマルティメディアを駆使して行うことによって日本の学生、高校生はその壁を突き崩すことができる。
伝えたいものがあり、英語だけでなく、コンピュータ上の画像、音、準備されたコメントによって伝えることができるそれが現在のプレゼンテーションである。英語の壁を低くするために得意とするコンピュータをつかってプレゼンテーションをするといってもよい。
・ 国内での連携強化とインターネット
国際交流の基本は国内交流である。両組織も年2回の大きなイベントを持っている。ワールドユースとASEPである。これら推進のホスト組織としてそれぞれの組織がある。
国内交流がうまくいってこそ、国際交流もうまくいくのである。ネットワーク活用の方法、人間関係などがうまく動いてこそ、国際交流も可能となっていく。
・ 確かなプロダクト どのような結果が出ているのか
年々ギアアップされるイベントであるが、中でもプレゼンテーションファイルは確実に精錬されつつある。これらパワーポイントファイルと、スクリプトファイルはもちろんネットワーク上に公開される。そして両国ならず世界の教員によって情報教育のサンプル、英語教育の指導に利用されるのである。
教材の共有を推進することによってあるレベルまでに生徒学生のプレゼンテーション能力を押し上げることができる。
・ 日本の英語教育 英語は学力ではなく、生活の感覚
昔に比べれば「しゃべれる先生」が増えてきた。しかし相変わらず「受験」の呪縛にとらわれ暗記型の英語教育が蔓延している。
コミュニケーション言語としての「英語」の実態をつかんでいないからであろう。日本国内にすべてを押し込めてしまうのであればそれはそれでいいが。
英語ができるということは世界が広がるということである。その実感をつかませるのがこのイベントといっていい。英語は学力ではなく、生活の感覚である。このような立場に立ってこの交流を継続している。 Get to know each otherでいいのであり、Get acquainted with でなくてもいいのである。
2つの組織とはAJET(Advanced joint English Telecommunication)とワールドユースミーティング(国際交流研究会)である。
AJETは1998年に国際交流をインターネットベースで行い、英語の利用にも焦点を当て用とした台湾高雄市の国立中山大学 陳 年興教授を中心とした中学高校大学の教師・学生の組織である。
国際交流研究会は1996年より活動している、インターネット、国際交流、英語教育、英語プレゼンテーションをテーマにした日本の中学、高校、大学、企業の組織である。動きながら考えるそんな組織である。ワールドユースミーティングを主催し実践的な英語教育、インターネットの教育利用を推進している。代表は私、日本福祉大学影戸 誠である。
これら2つの組織は1996年APNG国際会議(クアラルンプル)いご連携を取りながら発展してきている。
1 成長の鍵は2つのアニュアルイベント
わたしたちは2つの行事を中心に動いている。2つの中心があると言っていい、それは2心円であり、大きく広がる世界である。
・ ワールドユースミーティング
1999年より名古屋にて開催されている。海外からの高校生がネットワークを通してコラボレーション作業に取り組み、実際に日本にあってジョイントプレゼンテーションを行う。このワールドユースミーティング以後、再びネットワークを通して交流を行う。
・ ASEP Asian Student Exchange Project
1996年名古屋、1998年京田辺市、1999年韓国 2000年2001年2002年(台湾高雄市)にて開催。主にアジア地域の学生間の交流をめざす。またどのような機能がインターネットにとって有効であるのかも追求してきた。
2000年より、台湾高雄市を舞台としておもに日本―台湾の国際交流イベントとして定着しつつある。
2002年ASEP
期間 2002年12月21日―26日
日程 21日 教員セミナー
22日 日本側学生到着 歓迎パーティ
23日 ASEP大会 林 副市長参加
24日 学校訪問 市内観光 (三民職業高校生徒とともにtourism course)
25日 タイペイへ 特急列車にて異動、市内観光
26日 午後 日本へ
ホームステイ12/22,
12/23, 12/24 |
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連絡先 携帯番号 サンサン先生 シルビア 0921 |
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観光先 Meinung
Folk Village: http://www.meinung-folk-village.com.tw/ |
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観光先 Fo Guang
Shan: http://www.fgs.org.tw/english/place/default.htm
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・ サンミン職業高校
・ 時 程
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受付 |
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8:30-9:10 |
機器チェック |
各グループ10分 |
9:10-9:20 |
会場校紹介 |
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9:20-9:25 |
準備 |
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9:25-9:50 |
プレゼンテーション 水 |
福井商業高校 プレゼンター2人 |
9:50-10:10 |
プレゼンテーション 水 |
台湾高校グループ 高雄女子高校、台北女子高校、 サンミン職業高校、セントポール高校 4人 |
10:10-10:15 |
準備 |
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10:15-10:30 |
プレゼンテーション 水 |
宇都宮大学 2人 |
10:30-10:45 |
プレゼンテーション 水 |
台湾大学グループ 国立台湾普通大学、国立高雄普通大学 3〜4人 |
10:45-11:00 |
休憩 |
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11:00-11:35 |
ディスカッション テーマ 水 |
10人(高校各3人、大学各2人) |
11:35-13:20 |
昼食 |
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13:20-13:50 |
機器チェック |
各グループ5分 |
13:50-14:00 |
プレゼンテーション |
西那須野南小学校
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14:00-14:10 |
プレゼンテーション |
NKNU附属小学校
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14:10-14:15 |
準備 |
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14:15-14:30 |
プレゼンテーション 福祉 |
日本高校生グループ(四日市、南山国際)
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14:30-14:45 |
プレゼンテーション 福祉
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東京国際大学
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14:45-14:50 |
準備 |
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14:50-15:10 |
プレゼンテーション 福祉 |
台湾高校生グループ(高雄女子高校、
NKNU附属高校、フェンセン高校)
4人 |
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プレゼンテーション 福祉 |
日本人学生グループ(日本福祉、愛知淑徳)
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15:25-15:35 |
休憩 |
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15:35-16:15 |
ディスカッション 福祉 |
10名(日本高校生4人、日本大学生2人、台湾高校生4人) |
驚きのホスト校 三民職業高校
・ 観光コース
三民職業高校は台湾の教育を見せてくれた。観光コースの学生さんたちは日本語、英語をつかってわれわれを会場やミーティングルームに案内してくれる。笑顔をいっぱいで。即戦力としての学問とでもいうのであろうか、社会と学校との接点を意識した「実践」教育である。赤のジャケットに白いスカート、さらには白い手袋、その姿は凛々しく美しかった。入り口で我々をむかえ「どうぞ」と部屋の中にまで案内してくれる。
入り口にいつまでも立ち、会の進行を静かに見つめる、自分たちの出番にはてきぱきと反応する。
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・ 豊かな接待、歓迎パーティー
ASEP参加の日本側グループがやってきたのは22日昼過ぎ2時30分であった。
そのご体育館でwelcomeパーティー
最初は中国伝統の胡弓をつかったオーケストラの演奏、実に驚きすばらしい演奏である。
プレゼント交換のレセプションのあと、食事。
これら食事は同校食品管理科コースの生徒さんたちがかわいいユニフォームを着て我々に給仕してくれる。どの料理も掛け値なしにおいしい、わたしは小さい器にはいったラーメンを3杯もいただいた。
食事だけではない、このプロジェクトに参加した各学校の出し物が続く、日本からは「よさこい」「j-pop」の披露、台湾側からは英語劇、弦楽四重奏など、中でも圧巻は三民高校の服飾デザインコースの生徒によるファッションショーであった。これまで動きのぎこちない日本のファッションショーしか見たことのない我々にとって、ウオーク、アイコンタクト、姿勢すべてが驚きであった。
「これほどまでの事が日本の職業高校にできるのか」と思わせるものだった。
舞台全体をつかったその動き、衣装に我々は魅了された。
宴席
今回はただ単にこれまでの経緯から歓迎を受けただけではなく、チャイニーズコネクションの内側に入れていただいたような気がする。AJETの宴席、chen教授の宴席、三民職業高校黄先生の宴席、さらにはPTAの宴席と、大歓待であった。
その席上で、教育委員会の担当者、他の高校の校長を紹介してもらった。
内側にはいってこれからも大きく組織を育てていきたいと思う。
AJET参加校は三民職業高校、高雄女子高校、高雄高校、師範大学付属高校などである。
これらに参加する生徒、先生が見事に連携を取り、今年のASEPをもりあげた。
ASEP二日目は教員は学校訪問であった。生徒たちは観光コースの学生たちとともに市内観光に出かけていった。
案内はジェーンカン先生である。
最初の訪問は副単小学校であった。小学校英語教育のリソースセンターをも兼ね備えた学校である。http://english.kh.edu.tw/
現在台湾は各地区の教育委員会の決定で英語教育の開始年齢が決められている。ここ高雄市では、小学校三年生から英語教育を開始している。教室にはリソースセンターによって開発された教材が効率的に利用されている。
フィリップ、さらにはPPTファイル、ネットワーク、ゲームなどその利用方法は一目に値する。
次に校長先生の待つ学芸大学付属大学へ、小学生三年生の英語の授業に参加
「why do you study English」の質問に小学校3年生の生徒から[because it is important]の答えが出てくる。
その後校長先生としばらく話をする。通訳に高校の英語の先生が手伝ってくれる。高校、中学では英語は英語だけで指導するということが実現しているという事である。
ロンフォア中学はあのアンチュン先生が中心である。
生徒たちが英語でプレゼンをしてくれる。教科「情報」1年次から週1時間あると教えてくれる。最後は明誠中高等学である。校長先生との歓迎のレセプションの後、合唱団が迎えてくれる。なかなかうまい。キリスト教系の学校というだけあってクリスマスイブの日であったこともありしっかり聞かせてもらった。
そのあと、中学2年生で行われているmulti media assisted language learning
の授業の説明を受ける。テーマに沿ってwebから情報収集それをホームページに仕上げたり、さらにはパワーポイントのファイルに仕上げたりする。
Ø j-popと日本語学習
空港に日本からの学生を迎えに来てくれていた高雄女子高校のミンさん。高校2年生だという。日本語がとてもうまい。「どこで勉強したの_」「学校でも選択で日本語とってるし、英語やビデオそして日本の歌が大好きだから」ときびきびと答えてくれる。
高雄女子高校は有名な進学校、フランス語が第二外国語としてあることは知っていたが、日本語もかなり人気があるようだ。
彼女の日本語はまさしくアクセント雰囲気とも今の日本の若者のそれだった「マジで?!」「すっごくうれしい」とのやり取りはまったく日本の若者のものだった。